2017年1月12日木曜日

毎日料理することの意味


年末年始のお休みも(あっという間に・・・)終わり、エクレアスタッフも皆、年明けからお打ち合わせや現場などで忙しくさせていただいております。


私はこの年末年始は久しぶりに集中して本を読むことができましたが、中でも印象に残ったのは料理研究家・土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』。

数年前にテレビで「家庭料理は民芸」とおっしゃっているのを見てから土井さんの家庭料理に対する考え方にとても興味をもっていましたが、やはりこの本は色々と考えさせられることがありました。




帯の茶色は「味噌」、白地は「ご飯」、文字の緑は「野(菜)」のイメージだそうです。


私たちは日々キッチンづくりに携わっていると、お客様から毎日の料理(家庭料理)について様々な思いを伺うことができます。

もともと料理が好きな方、逆に料理が苦手だけれど家族のために頑張ってやらなければ、、、と思っている方、仕事と家事で忙しく正直毎日の料理が苦痛だと思っている方、、、など、考え方は人それぞれです。

また最近はSNS上や雑誌などでプロ並みの料理を披露する方もいて「毎日こんなにきちんとした料理を作っているなんてすごいな・・」とつい自分の料理と比較して不安になってしまったりします。

この本は「食事」や「家庭料理」とはそもそも何なのか、毎日あたりまえのようにやっている料理にどんな意味があるかをあらためて教えてくれるとともに、「ちょっと手抜きかも、、」と思っていた自分の料理について「料理の出来・不出来よりもまず台所に立って毎日料理していることが大切なんだよ~」と少し気持ちを楽にさせてくれます。

また本の中には著者の土井さんが毎日食べている具だくさんの味噌汁の写真もたくさん掲載されていて、中でも「卵とキャベツと煮干しが入った味噌汁」は決して写真映えする料理ではありませんが、私の母もよく作ってくれた懐かしい味です。


「オーダーキッチン」というと何となく輸入機器でおしゃれな料理を作ったり、料理が得意な人だけが使うイメージを持たれがちですが、実際はシンプルに「毎日の食事を大切したい」と思っているお客様がほとんどなのです。
特別な日の豪華な食事(料理)も大切ですが、普通の日の食事には地味だけれど実はとても大切な意味があるということをこの本であらためて考えさせられました。
これからキッチン作りに携わらせていただく上で大切にしたい一冊です。(塩田)




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